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ベンチャーか大企業か
僕は新卒でいわゆる大企業であるメーカーのS社に入社しました。
配属は、(入社時に希望を聞いてくれていたにもかかわらず)
自分の希望とは全く違う経理部門でした。

その時同じ部門に配属された同期6人中僕を含め3人も、
同じく希望もしていない部署での配属で、
3人でショックを受けた事を覚えています。
(余談ですが僕をのぞく二人は英語がペラペラで、会社としてなんと
贅沢な配属だと思った覚えがあります。)

入社10年がたち、S社の同期連中の大半は、残って頑張っていますが
僕を含めその3人全員、S社から旅立ってしまいました。
一人はベンチャーの役員、一人はMBA留学後コンサルティングへ。

僕自身は、当時の金融業界のあり方、サービスが納得できず変革したい、
また、もっと実ビジネスよりの仕事がしたいという思いで、
当時は50人程度だった会社に希望して移りました。

移った当初は、業種も違えば仕事の内容もやり方も違う、ということで
ついていくのに精一杯でした。S社では、自分では一生懸命やっている
つもりでしたが、移った後実感したことは、「ああ、以前は自分の
20〜30%ぐらいしか力を使ってなかったんだ」ということでした。
ここで1年で得られる経験は、前職での4,5年に相当する、と感じました。

移った後は、それこそ自分のキャパシティーの150%位の勢いで
一生懸命仕事をしていた気がします。

人員に比べ、やるべき事が多く、やるべき事に気づいた人が穴を埋めていく。
次から次へとやる事が湧いてくるので、「どこからどこまでが自分の仕事」
といった境界線もなく、とにかく各部署が連携して目の前の仕事に
あたっていく。それは、個人個人、各部署の役割が明確に区切られていて
「ここまでは、自分たちの部署、そこからはあっちの部署」というやり方
とは違い、また「越境してやりすぎだ」という風におこられることも
ありません。

ある意味、組織の体をなしていないともいえ、
ああ、これがベンチャーなんだなあ、と思った覚えがあります。

ただ、ビジネスというものがどのように回っていて、どこをどうすれば
いいのか、組織とはどういう形でまわっていくのか、ということを
学ぶには、小さい組織に属していると、組織全体を見る事ができ
非常に勉強になりました。

また、自分の取り組んだ事が実際に見える形で反映されたり、
チャレンジすることを組織的に応援してくれる文化、ボス達がいて
仕事のやりがいを非常に感じました。

一方で、大企業にいたときには、内部にいた人の優秀さ、matureな人格に
驚き、また洗練された組織体系、組織運営は非常に勉強になりました。
大企業にしかできないような規模の仕事に、自分が関わっているという
充実感もあります。
また、経理部に配属されたことも、今となってはビジネスの基本を
学べたということで、非常に役立っています。

新卒でベンチャー企業にいくのがいいのか、大企業にいくのがいいのか
と聞かれる事がありますが、その人のゴールやリスク許容度、習得したい
スキルや内容によって、一概には言えないので、その人の事やバックグランド、仕事を通して成し遂げたいこ、また実際にいきたい会社の中身を聞いてから、自分が思っている事を言うようにしています。

ただ、マクロ的に言えば、日本では優秀(とされる)人たちの大部分は、
大企業や官僚にいくという現実を考えると(そしてその人たちの一部が
思いっきり暴れられるフィールドが与えられていないと考えると)、
そういった人たちがベンチャー企業に移り、自分のキャパシティーを
フル活用するだけで、日本株式会社全体のアウトプット、活性度は
間違いなくあがると、僕の経験を通じて感じています。

少し前ですが、非常に優秀で、尊敬している親友から、転職の相談を
うけました。

彼の性格を考えると、正直言って「転職しろ!」とアドバイスすることも
ためらわれたのですが、「転職したら今の仕事で使っているより倍以上は
頭、身体両方使うようになるよ。しんどいけど、経験値はあがるし勉強に
なるとは思う。ただ、安定性は勿論なくなるし、会社の文化(この場合は
特に社長をはじめとするマネジメント層)とあわないときついと思う。
プロコン両方あげて、しっかり考えてみたら」とだけ伝えました。

結局彼は、悩みに悩んで転職したのですが、今やこんな風に社長に書かれる
程活躍しているようで、自分のことのように嬉しく感じました。

彼は勿論一成功例(現時点での。先のことは自分の事も含め誰にも
わかりませんが)にすぎませんが、彼の場合を見ても、日本株式会社の
ひとりとしては、以前よりアウトプットを出している、そして成長する為に
必要な経験値をどんどん上げている、いい例だと思います。

大企業に勤めると、仕事のやり方は学べるし、その後の転職の
選択肢も広がる(知名度的には)、また、周りの人から「ああ、○○会社、いいところにお勤めですね」といわれる気持ちよさもあると思います。

ただ、大企業にいれば安泰かと言われると、数年前より企業自体の寿命は
縮んでいるし、いざ倒産したときに、自分にあるスキルが
「社内調整、その会社独自のやり方をマスターしました」では
話にならないし、転職マーケットも確立されているので、怖がることなく、
自分の実現したいこと、その為に必要なことを考えて、チャレンジしやすく
なっているのかなとも感じます。

僕個人的には、日本株式会社全体の事を考えると、もっと優秀な人が
大企業、お役所より、ベンチャー企業に飛び込んで一人当たりのアウトプットを増やしていった方が、全体のアウトプットも増えますし、世の中もっとアクティブで面白くなるのでいいなあ、とは思っていますが。

いずれにせよ、「どこに勤めているか」ではなく、「何ができるか、何をしたいのか」という点にフォーカスして、自分がしたい事に対して必要なことは何か?それはどんな仕事をすればえられるのか、ということを真剣に考えていく他ないですねえ。僕も、もう一度しっかり考えようっと。
| MBA | 06:57 | comments(2) | trackbacks(0) | ↑TOP
優秀なひとたちがリスクを許容できるようにやり直しのきく仕事環境に日本がかわったらいいなあと思います。優秀な人が大企業にばかりいたら、企業の仕組みがよっぽど優秀でない限り、飼いならされ、優秀さを失っていくんではないかなと危惧しています。年功序列でpositionが渡されていきますからね。いま求められているのは優秀さに加えて速さですから、優秀な脳がどんどん前にでていく社会がいいなあと。
| tkebe | 2011/01/15 9:19 PM |
tkebeさん、コメントありがとうございます。
はじめは大企業に就職する方が優秀(仕事能力的に?)でも、ベンチャーにいくことにより、より早く経験値を積み、若いながらに責任が多いポジションを任せられることにより、何年か、何十年後には追い抜いてしまう、ということが今おこっているよう思います。複数の会社で働く経験をもつ事はそれぞれのいいところ、悪いところを知る事ができプラスな面も多いですよね。よりチャンスが多く与えらえる社会、チャレンジが尊ばれる社会、失敗を許容できる懐深い社会、会社がいいですね。
| yo | 2011/01/22 5:37 AM |
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